こころのカタチ

“こころ”という
非常に内面的でみえないものを、
形に表すのが
日本における「礼」の所作です。

ですから
礼の本来の意味がわかってくると
むずかしいわけです。
日常行っている一つひとつの
簡単なことに
心をはたらかせることが
大切になってくるから。

自分の心で
自分の行動を見つめることが、
自分の品位を築き
高めることになります。

この世界で、
たった一人自分を正確に
判断できる可能性のある人間は、
自分なのです。

そしてこの自覚こそが、
自分という人間の自立でもあります。

このように自立し
品位ある判断力を備えた
人間となるための入口が「躾」です。

躾から礼、
そして礼節をわきまえ、
一人の人間として旅立てるとき、
それが成人ということになります。

親離れ、子離れの時期です。
これには何歳という
決まりはありません。

昔は「加冠の儀」や
「元服」という儀式をして
一人の大人として自らも自覚し、
他人もその人間を
大人として認めるという
けじめの日がありましたが、
現代の成人式には、
そのような感覚が
はたして残っているのでしょうか…


人間とサル(動物)の違いは
「知」があるかないかです。

躾とは難しいものです。

幼子ひとりひとりの個性を
見極め大事にしながら
本人が自分で
品位ある判断ができるまで
躾けるのが日本における躾です。

大人のまねごとを
上手にするのではなく、
子供は
子供としての品があるのです。

自らにじみ出てくる
子供としての品がいちばん大切です。

品は人間しか持てません。
しかし簡単に持てるものではなく
日々の積み重ねでしか
持つことはできません。

持つというより
身に納めるということです。


日本は数千年の歴史が
積み上げられて今があり
独自の文化があります。

それを大切にしていきたいです。


今日は、十四日年越し。
「小正月(正月十五日)」
の前日にあたり、
年越しの日として祝います。

明けると「小正月」です。